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テレビ・新聞が伝えない被災地の現状~安心して暮らす為の生活基盤

 東日本大震災から1年8カ月が経過し、復興予算の流用問題などが取沙汰されても、実際に被災地がどうなっているのか、多くは語られなくなりました。しかし、未だに避難生活を余儀なくされている方たちがいて、地元に戻れない人たちがいること、かつての生活を取り戻せない人たちがいることを、忘れてはいけないと思います。

 生活するうえで欠かせないもの、電気やガスといったライフラインが復旧しなければ、生活することは出来ません。そのライフラインの復旧状況はどうなっているのでしょうか。

平成24年11月9日復興庁発表【復興の現状と取組】参照

lifeline.jpg

 パーセンテージだけを見れば、復旧は進んでいるように見えます。が、復旧が及んでいない戸数とその原因を見て、どう思われますか?
 この停電戸数やガス未供給戸数と同じ数だけ、特定の地域から住民がいなくなったと言っても過言ではありません。
 家屋流出地域の復旧が進まない原因は、がれきの処理問題や、住民の集団移転事業、区画整理等の進捗状況に左右されているからと考えるのが妥当ではないでしょうか。
 警戒区域については、詳しく説明するまでもないと思います。

 次に、インフラに関する復旧状況です。
infrastructure.jpg
※『下水道』に関する補足
「通常処理に移行した処理場」とは、被災前と同程度の放流水質まで処理が実施可能となった処理場である。これらの中には、一部の水処理施設や汚泥処理施設は未だ本復旧工事中のものもある。

 水道施設の復旧が、半分にも至っていないことに驚きです。そして、下水道が通常通りの働きをしなければ、衛生面での不安も出てきます。
 また、安心して安全に暮らすためには、様々な事態への備えが必要です。
 防波堤や防潮堤などの海岸対策も重要ですが、防風林や防潮林などの役割を担う防災林も、重要なインフラの一つです。沿岸部に住んだことのある方なら、潮風の影響で車や家屋などが錆びやすいことを経験されているのではないでしょうか。
 防災林は、農作物を塩害から守る為にも必要不可欠です。

 家が壊れたなら建て直せば良い、という問題ではありません。
【住宅解体申請足踏み 改修か取り壊しか、悩める被災者 石巻(河北新報 2012/11/19)】
 先に述べたように、集団移転事業や都市計画に関わる区画整理、進まぬ復旧、様々な要因が重なり、地元に戻れない、戻らない被災者がいることは間違いありません。
 被災地関連のニュースでは、散り散りになった住民が地元のお祭で久々に集まった、避難者の為の集会場が完成した、などの話題が取り上げられることがありますが、その裏にはこのような背景があるということを、どうか知って頂きたいです。
【陸前高田市:被災者のための集会所「みんなの家」完成(毎日jp 2012/11/18)】


(グラフ作成:全都道府県の声を伝える会)
(文責:全都道府県の声を伝える会)
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テレビ・新聞が伝えない被災地の現状~がれきとまちづくり計画

 東日本大震災から、1年8カ月が経ちました。未だに仮設住宅を利用されている方が11万3千人以上いること、民間住宅へと避難されている方が避難者全体の半分以上であったことは、前回の記事でお伝えしました。
 ところで、実際に『人が住むまち』の復興状況はどうなっているのでしょう。

平成24年11月9日復興庁発表【復興の現状と取組】参照

●災害廃棄物(がれき)処理状況
garekisyori.jpg
 撤去されたがれきが仮置場に山積みのままの状態であることは、ニュースなどでご覧になった方もいるでしょう。
 その仮置場については、自治体によっては平地が少なく仮置場となっている公用地の復興利用が難しかったり、学校の校庭が仮置場になっていたりと、土地利用の問題があります。更には、臭いや粉塵などの問題も発生しており、処理・処分が急務とされています。
(がれきの処分方法、広域処理に対する賛否については、ここでは触れません。)
 津波堆積物の処分状況に至っては、ほとんど処理出来ていない現状です。

●公営住宅・まちづくり関係の復旧・復興の進捗状況
machidukurikeikaku.jpg
※『学校施設等』に関する補足
◆全国で被災した公立学校施設数:6,484校
◆被災3県(岩手・宮城・福島)で被災した公立学校数:1,980校
◆茨城県で被災した公立学校施設数:1,056校
◆全国で被災した私立学校施設数:1,428校
文部科学省発表【東日本大震災による被害情報について(第208報)】参照

 学校等の施設に比べて、住宅関連が想像以上に復興していないことが分かります。尚この数値は、すでに復興されたもの以外に「都市計画が決定された値」が含まれています。現実に復興されたものとは違うことに注意してください。
 区画整理がなかなか進まない現状は、津波による登記簿等の流失や土地所有者の所在不明、地元の方たちの思い等、様々な要因によって遅れているのだと考えられます。
 都市計画とそれに伴う区画整理は、防災の観点から、居住区域や商業区域などを区切り、まちを『再開発』するような内容がほとんどです。慣れ親しんだ地域が、『ふるさと』が、まったく違う風景になることを、地元の方たちはどう思っているのでしょうか。
 「災害危険区域」に指定され、集団移転事業を行う沿岸部では、建築制限による弊害が出ています。店や家を再建したくても、すぐには再建出来ないのです。その地域の再建計画が進まなければ、当然ながら、学校等の扱いも決まりません。働く場所がなければ、子供を通わせる学校が近くになければ、住民は戻ってこないでしょう。
【被災地の集団移転 人口流出、「建築制限」が拍車】(産経ニュース2012/11/11)

 どうすれば、『ふるさと』を再建出来るのか。どうすれば、住民は戻ってくるのか。その為には何が必要で、何を優先すべきなのか。課題は山積です。

 ニュースなどで、子供たちが明るい笑顔で登校、などと伝えられていますが、未だに仮校舎や他校の教室等を間借りして授業を行っている学校があること、そして、そのことで親や教師が心を砕いていることも、心に留め置いて頂きたいです。
 教師や公務員も、被災者です。


(グラフ作成:全都道府県の声を伝える会)
(文責:全都道府県の声を伝える会)

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テレビ・新聞が伝えない被災地の現状~避難者と避難先

 昨年の3月に東日本大震災が発災してから、一年半が経過し、間もなく二度目の冬を迎えようとしています。
 復興に関する予算が流用され、まったく関係のない事業等に使われていた、というニュースは、ご記憶に新しいと思います。また、年度単位で使われる予算が実は余っていた、などというニュースもありました。
 それらのニュースに触れて、憤った方も多いのではないでしょうか。

 ところで、実際の被災地の復興状況はどうなっているのでしょうか。
 復興庁が先月、10月16日に発表した、「復興の現状と取組」という資料を見たところ、発災より一年の段階で発表された資料のデータより、若干状況が進んでいるように見えます。しかし、もし復興予算が正しく使われていたならば、という思いは拭いきれません。
 以下は、復興庁の資料より、気になる点を幾つか抜粋し、グラフ化したものです。

H24/10/16復興庁発表【復興の現状と取組】参照

●避難者数と避難先について(全国)

平成24年10月4日現在
避難者総数:326,837人

<避難先の内訳>
◆避難所:186人
◆住宅等:310,385人

<避難先が住宅等の内訳>
◆公営住宅:29,822人
◆民間住宅:162,056人
◆仮設住宅:113,956人

hinansaki.jpg


<都道府県別避難先>
◆宮城県:114,787人
◆福島県:99,229人
◆岩手県:41,969人
◆山形県:11,406人
◆東京都:9,222人
◆新潟県:6,366人
◆茨城県:5,844人
◆埼玉県:4,261人
◆その他:33,789人

hinansaki_kenbetsu.jpg


 避難先の約50%が民間住宅であるということは、国や自治体の対策の遅れを表しているのではないでしょうか。また、震災から1年半経過しているにもかかわらず、いまだに仮設住宅を利用している方が11万3千人もいるという現状には愕然とします。
 都道府県別の避難先を見てみると、特に被害の大きかった被災3県=岩手・宮城・福島以外へ避難されている方が、7万人を超えています。
 その中には、移住先に留まる決意をされた方もいるでしょう、いつかは地元に戻りたいと願う方もいるでしょう。決意せざるを得なかった事情と、戻りたいと願う方たちの心情を思えば、一日も早い復興を、と強く願ってやみません。



(グラフ作成:全都道府県の声を伝える会)
(文責:全都道府県の声を伝える会)

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